人生と向き合う女性たちの日常を見守る──巨匠エリック・ロメールの瑞々しい感性が宿ったオムニバス「レネットとミラベル/四つの冒険」他

配信作品・解説 STAFF: YK
人生と向き合う女性たちの日常を見守る──巨匠エリック・ロメールの瑞々しい感性が宿ったオムニバス「レネットとミラベル/四つの冒険」他
配信系ミニシアター「ザ・シネマメンバーズ」では、エリックロメール監督作品を配信中!

目次[非表示]

  1. レネットとミラベル/四つの冒険(エリック・ロメール 1986年)
  2. 木と市長と文化会館(エリック・ロメール 1992年)
  3. パリのランデブー(エリック・ロメール 1994年)

レネットとミラベル/四つの冒険(エリック・ロメール 1986年)

「レネットとミラベル/四つの冒険/4 AVENTURES DE REINETTE ET MIRABELLE」

人生と向き合う女性たちの日常を見守る──巨匠エリック・ロメールの瑞々しい感性が宿ったオムニバス全4編

パリジェンヌと画家志望の田舎娘との出会いを皮切りに、4つのパートに区切られたエピソードを連作短編集のような趣きで綴る。16mmカメラを用いたエリック・ロメール監督の軽快なスケッチが心地よい。

■あらすじ
<青の時間>両親の別荘がある郊外の片田舎にパリからやって来たミラベルは、一人で暮らして絵を描いているレネットと偶然出会う。<カフェのボーイ>絵の勉強をするためパリに出たレネットは、ミラベルのアパートに同居する。<物乞い、万引、ペテン師>万引き女の手助けをしてしまったミラベルは、正義感の強いレネットと倫理観について語り合う。<絵の販売>家賃を払えなくなったレネットは画廊に自作の絵を売り込む。

■出演
ジェシカ・フォルド、ジョエル・ミケル、マリー・リヴィエール、ベアトリス・ロマンほか

木と市長と文化会館(エリック・ロメール 1992年)

「木と市長と文化会館/L'ARBRE, LE MAIRE ET LA MEDIATHEQUE OU LES SEPT HASARDS」

7つの「もし」を通じて浮き彫りとなるフランス社会の本質とは?巨匠エリック・ロメールの風刺コメディ

エリック・ロメール監督が得意とする恋愛ではなく、政治や環境などの社会問題がテーマ。ある町で起きた騒動に7つの「もし」で始まる副題を付け、登場人物たちの言動における矛盾を皮肉的に描いている。

■あらすじ
地方選挙が間近に迫る、パリ郊外ヴァンデ県の田舎町サン=ジュイール。国会議員になるためパリへ行くことを夢見る現職市長ジュリアンは、村の原っぱに文化会館を建設しようと考えていた。しかし、町の景観や自然が破壊されることを心配するエコロジストの小学校教師マルクは、建設計画に猛反対。そんな中、ジュリアンの恋人が政治雑誌の編集長と親戚関係にあったことから、ジャーナリストがこの問題の取材に訪れる。

■出演
パスカル・グレゴリー、ファブリス・ルキーニ、アリエル・ドンバール、ジェシカ・シュウィングほか

パリのランデブー(エリック・ロメール 1994年)

「パリのランデブー/LES RENDEZ-VOUS DE PARIS」

70歳を越えてなお若者たちの愛を瑞々しく綴る──恋愛喜劇の巨匠エリック・ロメールのオムニバス全3編

恋の喜びと痛みを体験する若者たちの群像を全3編のオムニバスで構成。生活感豊かなパリの街並みを背景に、若者たちの日常をさりげなく切り取ったエリック・ロメール監督のタッチが、生き生きと瑞々しく映る。

■あらすじ
<7時のランデブー>恋人オラスが別の女性と浮気していると知らされた女子大生エステルは、市場で買い物中に男性から声を掛けられ、カフェで会う約束をする。<パリのベンチ>パリ郊外に住む大学講師は、同棲相手がいる女性と交際していて、デートのたびにパリじゅうの公園を2人で歩き渡る。<母と子 1907年>ピカソ美術館の近くに住む画家は、スウェーデンから来た女性を知人に紹介され、彼女を美術館へと連れ出す。

■出演
クララ・ベラール、アントワーヌ・バズラー、セルジュ・レンコ、オーロール・ローシェルほか
「レネットとミラベル/四つの冒険」(C)1985 LES FILMS DU LOSANGE-LA C.E.R.「木と市長と文化会館」(C)1993 LA C.E.R.「パリのランデブー」(C)1995 LA C.E.R.

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